"
田野のご紹介
 福岡県宗像市田野は、九州の北の端に位置します。玄界灘とはさつき松原と呼ばれる古砂丘で境され、東には中生代白亜紀(今から約一億年前の海底火山)の宗像四峰連山が湯川山、弘大寺山、金山、城山の順に並んでいます。湯川山と弘大寺山からの水が田を潤しています。古い時代から山裾に形成された肥沃な粘土質の土壌が稲の栽培に適しています。
 この数年イノシシが田んぼも荒らすようになり、周囲のほ場は電気柵を張っています。私の田んぼのあぜは草刈り機で刈っていますので電気柵が張れず困っています。 しかし畔にも除草剤を散布したくないので、2016年からイノシシ撃退機を導入し、音で防御しています。

ふくおかエコ認証1511292(栽培期間中無農薬)を全ほ場で取得
 通年除草剤・農薬を使わず、リンゴガイで田の草を取り、控え目に有機肥料を施し、稲苗の植付け間隔を30cmとした疎植栽培で、病害虫の発生を防いでいます。
 おかげさまで2017年開催の、第一回九州のお米コンクール個人チャレンジ部門で「にこまる」が特別賞を受賞し、お米の味を機械測定した食味分析値は82点(にこまる)となりました。 2018年食味値はJA測定84点(にこまる)、2019年食味値はJA測定、にこまる84点、元気つくし79点、夢つくし76点でおいしくできました。ぜひお客様の声をお読み下さい。

「リンゴガイ農法」で栽培
 リンゴガイ農法では、田植え直後に水張りをゼロにしてリンゴガイを眠らせます。その後床面にひび割れが生じるくらい乾いて雑草の発芽が始まったら、稲苗の先端が隠れるまで水深を上げます。一昼夜ほどで活動を開始したリンゴガイに雑草の芽を食べさせます。雑草の芽を食べつくし、稲苗を食べ始めると、食べかすの稲苗先端葉が水面に浮かび始めます。再び水を落としてリンゴガイの動きを止めます。数回繰り返したら通常の浅水管理で、株元が固くなった稲よりも、生えてくる雑草を好んで食べるようになるので、除草剤散布の必要はなくなります。これがリンゴガイ農法のあらましです。

 僕が取り組んできた米作りは、化成慣行栽培で始まり、現在はリンゴガイ農法による無農薬有機栽培です。

『有機栽培』
化成肥料を使わない有機栽培では、「アミノ酸」は、根から直接吸収されます。アミノ酸は元々炭水化物が結合した有機態窒素であるため、無機態窒素とは異なり、光合成で作られた炭水化物をほとんど必要としません。したがって、使われなかった余剰炭水化物は、作物を強化する植物繊維(ヘミセルロース&セルロース)へ回すことができるため、病害虫に晒されにくい体質になりながら高品質を実現することができます。

『化成慣行栽培』
ところが、化成慣行栽培では、作物は土壌から水(H2O)と無機窒素を水の蒸散に合わせて吸収します。そして、その水と二酸化炭素を葉緑素に運び込んで、太陽光線から発生したエネルギーを利用して炭水化物をつくり、根に送ります。そこで吸収した無機態窒素と結び付け、通常は根でアミノ酸を合成します。
 しかしこの際、天候が悪い場合や無機態窒素の土中濃度が高く、吸収量が多い場合は、アミノ酸に必要な炭水化物が不足し、体内(茎・葉・実)に余剰な硝酸態窒素を残留させてしまいます。
 さらに炭水化物が不足していることから作物の細胞を守る細胞壁や作物の骨格を形成しているセルロースやヘミセルロースの材料不足を起こし、害虫や病原菌から体を守ることができなくなります。また、ミネラルの吸収を促進するはずだった混酸が不足し、光合成や生命活動に必要な必須ミネラルを吸収することができず、品質低下や収量減収に陥ってしまいます。
 また、 ミネラルは、光合成をはじめとする生化学的な反応を制御しているため、ミネラルが不足した状態で窒素を施すと軟弱な成長となり、病気を引き起こしやすくなります。そのため、必ずミネラル先行・窒素後追いとなるように施肥管理を行うことが重要となります。

『有機栽培』
 したがって現在は、稲刈りで切り藁を散布し、その後堆肥とケイ酸やミネラルを含んだ微生物資材を鋤込んで土作りを行います。田植え前には、最低限の微生物発酵堆肥(ぼかし)を元肥として鋤込みます。穂が形成される時期の穂肥に、アミノ酸と微生物の有機肥料を散布します。
 このようにして、有機窒素の肥料を最低限施し、微生物による土壌改良によってアミノ酸の根からの吸収を促しています。こんな風にして、病害虫に負けない、美味しい米ができていると思います。

『バイオロジカルファーミング』
こんな米作りは、「Bio LOgical Farming(バイオロジカルファーミング):生態系調和型農業理論」として、小祝正明さんを中心にわが国でも広く行われています。

田野のおいしいお米は、高い食味値とほどよい粘りが特徴

お米の食味
米の食味には品種の影響が強くありますが、産地、気象、栽培方法も影響を与えるほか、収穫後の乾燥・調製、貯蔵、精米、炊飯などによっても影響されます。

遠赤外線分析機で、「アミロース」「タンパク鴛」「水分」「脂肪酸度(玄米)」の4つの成分を測定し、食味方程式により食味値を出します。
・食味値は、1OO点満点で表し、数値が高いほど美味しいお米になります
・最近の良食味品種の増加や美味しい米作りの努力により、日本産では、60〜65点が標準になっています
・食味を向上させて、70〜80%の人が美味しいと認める、70点以上の良質米作りを目標にしています

2019年産にこまるの食味値84点、元気つくしの食味値79点、夢つくしの食味値76点   
たんぱく質の含有量の多い米は、栄養的には好ましいと考えられますが、食味の観点からはあまり良い影響を及ぼしません。たんぱく質の含有量の多い米は炊飯時の吸水を阻害し、硬くて、粘りの少ないものとなり、食味は低下するといわれています。食味を向上させるためには、たんぱく質の含有率を低く抑えることが大切と考えられ、品種をはじめ、土壌・施肥といった栽培条件や登熟期間の温度などさまざまな要因により変動します。

お米の粘り
うるち米のでん粉は、2割のアミロース(硬さの成分)と8割のアミロペクテン(粘りと軟らかさの成分)でできています。お米の粘りと硬さは、この2種類のでん粉の構成割合に左右されます。もち米の でん粉はアミロペクチン100%で構成されており、アミロペクチンが多い(アミロースの少ない)お米は、粘りがあり、一方、アミロースが多いお米は硬く、 パサパサしていると言われています。
アミロースの含有率は、品種による影響が最も大きく、一般的には17〜23%程度の範囲に分布しています。
食味評価の最も良い新潟産コシヒカリは、アミロースの割合が16〜17%位であり、バサパサして硬くてまずいお米は、22〜23%位になります。登熟期間の温度によっても影響をうけ、期間中の積算温度が低いほどアミロース含有率は高まると言われています。

田野のおいしいお米は、こだわりの栽培・貯蔵・精米が特徴
『薬剤を使わない種子消毒』
薬剤を使わない温湯種子消毒後は,5月初めに浸種,催芽,播種を行い、6月中旬に田植えを行います。
『除草剤不使用』
リンゴガイに雑草を食べさせるので除草剤を使いません。化成慣行栽培では除草剤で草を枯らしてしまうので、リンゴガイは稲の苗を食べるしかないのです。リンゴガイ農法は除草剤を使わないのがスタートです。
リンゴガイ(ジャンボタニシ)を退治するのに、椿油のしぼりかすが使われる事がありました。これによって小さなエビ・カニなどが見られなくなりました。
『疎植栽培で農薬不使用』
農薬を使わないで栽培するには「疎植」が不可欠です。田植えの際に苗の間隔を30センチ間隔で植え付けています。これで根はりが良くなり丈夫になります。イネ株の間を風が抜け,陽が差し込むので病害虫の発生と拡がりを防ぎます。
30センチ間隔の疎植栽培は、「尺角植え」と言われましたが、密植・多肥料栽培で収量上げる方法に駆逐されました。
『ひかえめな有機肥料』
微生物で発酵させた有機肥料を控え目に施しています。たんぱく質の含有率を低く抑え食味を良くするために収穫量を増やす事を考えません。健康な稲が生長し稲穂を付けて実らせるのに必要最小限の肥料を元肥と追肥で施しています。
『稲刈り・乾燥』

適切な稲刈り時期に刈り取り、遠赤外線乾乾燥機で低温乾燥します。高床式の米蔵で「籾」のまま保存しています。
気温の高い地域では、野外で掛け干し(天日干し)するより、遠赤外線乾乾燥機で低温乾燥したほうが均等に乾燥できて良いと思います。
『籾で保存』
乾燥した籾は、高床式の米蔵で「籾」のまま保存しています。固く厚い籾殻で覆われた米粒は、新米の状態を長く保ち、変質もしません。注文後に籾すり(籾殻を外し、玄米にする)、精米を行ないます。
籾摺りした玄米は体積が半分ほどになるので、農協や米穀商は玄米で保管流通させています。しかし冷蔵庫で保存しても籾のように「新米に近い」状態を維持するのは難しいようです。
『自家精米』
注文後にインペラ振動籾すり機で「籾すり」を行うので、高品質で新鮮で玄米の仕上がりとなります。すりたての新鮮な玄米をぜひお試しください。精米は、熟練職人手作りの丸七製作所製石抜き精米機で超低温精米を行います。精米度は3分、5分、7分、白米と加減できます。もちろん混じり気なしの農薬不使用「新鮮米ぬか」もあります。

上部へ戻る