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田野のおいしいお米は、こだわりの栽培・貯蔵・精米が特徴
『薬剤を使わない種子消毒』
薬剤を使わない温湯種子消毒後は,5月初めに浸種,催芽,播種を行い、6月中旬に田植えを行います。
『除草剤不使用』
リンゴガイに雑草を食べさせるので除草剤を使いません。化成慣行栽培では除草剤絵ので草を枯らしてしまうので、リンゴガイは稲の苗を食べるしかないのです。リンゴガイ農法は除草剤を使わないのがスタートです。
『疎植栽培で農薬不使用』
農薬を使わないで栽培するには「疎植」が不可欠です。田植えの際に苗の間隔を30センチ間隔で植え付けています。これで根はりが良くなり丈夫になります。イネ株の間を風が抜け,陽が差し込むので病害虫の発生と拡がりを防ぎます。
30センチ間隔の疎植栽培は、「尺角植え」と言われましたが、密植・多肥料栽培で収量上げる方法に駆逐されました。
『ひかえめな有機肥料』
微生物で発酵させた有機肥料を控え目に施しています。たんぱく質の含有率を低く抑え食味を良くするために収穫量を増やす事を考えません。健康な稲が生長し稲穂を付けて実らせるのに必要最小限の肥料を元肥と追肥で施しています。
『稲刈り・乾燥』
適切な稲刈り時期に刈り取り、遠赤外線乾乾燥機で低温乾燥します。
『籾で保存』
乾燥した籾は、高床式の米蔵で「籾」のまま保存しています。固く厚い籾殻で覆われた米粒は、新米の状態を長く保ち、変質もしません。注文後に籾すり(籾殻を外し、玄米にする)、精米を行ないます。
籾摺りした玄米は体積が半分ほどになるので、農協や米穀商は玄米で保管流通させています。しかし冷蔵庫で保存しても籾のように「新米に近い」状態を維持するのは難しいようです。
『自家精米』
注文後にインペラ振動籾すり機で「籾すり」を行うので、高品質で新鮮で玄米の仕上がりとなります。すりたての新鮮な玄米をぜひお試しください。精米は、熟練職人手作りの丸七製作所製石抜き精米機で超低温精米を行います。精米度は3分、5分、7分、白米と加減できます。もちろん混じり気なしの農薬不使用「新鮮米ぬか」もあります。
「夢つくし」「にこまる」「イセヒカリ」「ミドリ米」「もち米」の順に収穫・販売されています。
2017年に開催された第1回九州のお米食味コンクールでは、44銘柄、計1671検体が出品されました。その内訳は、ヒノヒカリ1022検体、コシヒカリ119検体、夢つくし106検体、にこまる105検体、元気つくし38検体、でした。
第1回九州のお米食味コンクール個人総合部門の上位17検体が『にこまる』でした。次いで『コシヒカリ』5検体、『ヒノヒカリ』3検体、『元気つくし』1検体、『ひとめぼれ』1検体という状況でした。やはり暖かい九州に合ったにこまるが農家にも人気があり、おいしさも評価されているものと思われます。一方古くから九州で栽培されてきた『ヒノヒカリ』はにこまるや元気つくしに追い越されつつあるようです。
母親は近畿・中国地域の6府県で奨励品種になり、急速に普及が進んでいるおいしい早生(わせ)のお米「きぬむすめ」、父親には倒れにくく品質の良い 「北陸174号」(熊本県で普及している「いただき」の兄弟)の交配組み合わせから育成されました。両親ともに「コシヒカリ」の血を引くおいしい系統で、 「にこまる」はその両親の良いところを受け継いだ品種です。
1996年(平成8年)- 九州沖縄農業研究センターで「きぬむすめ」と「北陸174号」を交配・育種1971年に福岡県にて育成、誕生しました。ヒヨクモチの「ヒヨク」は、九州の平坦な肥沃地帯という意味です。主に九州で生産されています。炊いても硬くなりにくいのが特徴で、きめが細かく粘りのある食感が特徴です。
向いている料理に、のしもち・お赤飯・おこわ・ちまき・大福などがあります。
田野のおいしいお米は、高い食味値とほどよい粘りが特徴
お米の食味
米の食味には品種の影響が強くありますが、産地、気象、栽培方法も影響を与えるほか、収穫後の乾燥・調製、貯蔵、精米、炊飯などによっても影響されます。
2019年産にこまるの食味値84点、夢つくしの食味値76点
たんぱく質の含有量の多い米は、栄養的には好ましいと考えられますが、食味の観点からはあまり良い影響を及ぼしません。たんぱく質の含有量の多い米は炊飯時の吸水を阻害し、硬くて、粘りの少ないものとなり、食味は低下するといわれています。食味を向上させるためには、たんぱく質の含有率を低く抑えることが大切と考えられ、品種をはじめ、土壌・施肥といった栽培条件や登熟期間の温度などさまざまな要因により変動します。
お米の粘り
うるち米のでん粉は、2割のアミロース(硬さの成分)と8割のアミロペクテン(粘りと軟らかさの成分)でできています。お米の粘りと硬さは、この2種類のでん粉の構成割合に左右されます。もち米の でん粉はアミロペクチン100%で構成されており、アミロペクチンが多い(アミロースの少ない)お米は、粘りがあり、一方、アミロースが多いお米は硬く、 パサパサしていると言われています。
アミロースの含有率は、品種による影響が最も大きく、一般的には17〜23%程度の範囲に分布しています。
食味評価の最も良い新潟産コシヒカリは、アミロースの割合が16〜17%位であり、バサパサして硬くてまずいお米は、22〜23%位になります。登熟期間の温度によっても影響をうけ、期間中の積算温度が低いほどアミロース含有率は高まると言われています。